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武満 徹没後25年 定期演奏会において代表的作品を演奏
2020-12-24
カテゴリ:お知らせ
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仙台フィルハーモニー管弦楽団では、2021年1月から3月にかけての定期演奏会において2021年2月に没後25年を迎える作曲家・武満徹の偉業を称え、多くの作品のなかから初期・中期・後期を代表する3作品を取り上げ、武満徹を回顧します。
武満徹は、ほとんど独学で作曲を学び独創的な作品を数多く世に送り出しました。その人柄ゆえに音楽界のみならず幅広い文化人との交流を持ち、映画音楽やポップ・ソングなど多くのジャンルの音楽を生み出しました。武満の独特なサウンドは世界中で多くのファンを魅了し、彼の作品は、没後25年を経た現在でも世界中のオーケストラよって頻繁に演奏されています。

1月23日 第342回定期演奏会 指揮:鈴木 優人
「夢の時」
武満徹の作品には、「水」「星」「環」「数」「夢」といったテーマよる作品群がいくつか存在します。
1981年に作曲された「夢の時」は、「夢の引用」「夢の縁へ」「夢窓」などと並ぶ1980年代の代表作のひとつです。「短いエピソードが一見とりとめなく浮遊するように連なる。リズムの微妙な増減、テンポの変化が曲の浮遊感をいっそう強調する」と武満が自ら記しているように夢のような浮遊感がこの作品の特徴です。

プログラムノート
藤田 茂(音楽学者)

鯨のように優雅で頑強な肉体をもち、西も東もない海を泳ぎたい。武満徹の言葉である。ひとは西洋と東洋を分けようとするけれども、海には西も東もない。ひとは過去と未来を別にしようとするけれども、海には古いも新しいもない。武満が目指したのも、この海のような音楽だった。2021年は武満の没後25年。武満の夢は、分かつことのできない一つの地球を生きるわたしたちに、ますます強く訴えかけてくる。武満の音楽は、どのような音楽と一緒になっても、それと共生するだろう。そして、どのような音楽も武満の音楽と隣り合うことで、その魅力を増すだろう。これからの3回の定期演奏会を、わたしたちの音楽家であった武満とともに、楽しんでもらいたい。

武満徹 夢の時

 武満徹(1930〜1996)のまなざしは、分かつことのない全体に向かう。西も東もなく、古いも新しいもない海は、武満の眼に強烈に映し出されていた存在の全体性の暗喩であったのだが、それはまた夢の世界にも通じていた。武満の愛した映画がその似姿となってきたように、夢のなかでは過去と未来が重層し、空間は異常な偏差をもって大きなものを小さく、小さなものを大きく出現させる。
 1980年8月、武満は、ネザーランド・ダンス・シアターの芸術監督を務めるチェコの振付家、イジー・キリアンの誘いにのって、オーストラリアのグルート島に共同作品制作のための取材旅行に出かけた。このとき武満の心を深く打ったのは、オーストラリアの先住民が、かろうじて「夢の時(ドリーム・タイム)」と翻訳されうる一連の物語を語り継いでいることだった。彼らにとって「夢の時」は、創生の神話であると同時に、生活の実際的な指針でもあるという。祖先は過去にいるのではなく、いまここに現存しており、信仰は生活から区別されない。わたしたちが、墓前で静かに手を合わせるときにふと感じうるかもしれない、あの一体性の感覚を、日常的に生きている人々がいることは、武満をどれだけ勇気づけただろう。
 かくして武満は『夢の時』をネザーランド・ダンス・シアターのために作曲する。そこでは、先住民の神話の何ものも描出されるわけではないが、(武満の言葉を借りれば)「短いエピソードが、一見とりとめなく浮遊するように連なる」ことで、相互浸透を呼び起こし、すべてがひとつである世界を指し示す。武満の『夢の時』が舞踊とともに舞台をつくるのは1983年まで待たなければならなかったが、それに先立つ1982年6月に、岩城宏之の指揮する札幌交響楽団が、音楽だけでこれを初演した。


2月13日 第343回定期演奏会 指揮:飯守泰次郎
「弦楽のためのレクイエム」

武満徹が深い影響を受けた先達早坂文雄(映画音楽「羅生門」「七人の侍」などを作曲)の死を悼み1957年に作曲した作品です。当初国内ではあまり評価されていませんでしたが、1959年に来日したストラヴィンスキーがその記録録音を聞いて大絶賛したことにより、武満の名が一躍世界中に知れ渡ることになりました。いまでは武満徹の代表作として世界中で演奏されています。

3月20日 第344回定期演奏会 指揮:尾高忠明
「系図―若い人たちのための音楽詩」

この作品は武満徹が晩年に谷川俊太郎の詩集「はだか」から選んだ6曲を基づいて語りとオーケストラのために書き下ろした作品です。初演は1995年4月20日、武満が世を去る10ヶ月前でした。ひとりの少女によって語られる家族の記憶と彼女の想いがこの作品のテーマです。仙台フィルは東日本大震災から10年目の3月を迎えるにあたり、石巻出身で震災当時10歳だった高平響を語り役に起用し、彼女と共に次世代に向けたメッセージをみなさまにお届けしたいと思います。
高平 響 (たかひら ひびき)
2000年7月2日宮城県石巻市生まれ。宮城県仙台第三高等学校を卒業。NHKコンクール放送部門宮城県大会銅賞、石巻市弁論大会優秀賞を受賞。2018年10月より2020年12月までエフエム仙台Date fm「hibikuradio」でパーソナリティを務めた。
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