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退団のお知らせ
2023-03-08
カテゴリ:お知らせ
2023年3月31日付けで下記の4名が退団いたします。今後の更なる活躍を祈念いたしております。

 Cello 田澤 緑  Cello 山本 純  Double Bass 河野 昭三  Flute 山元 康生
退団のメッセージ
24年いたヨーロッパから帰国し、 すぐに入団した仙台フィルでしたが、ちょうど25年経ち、 この度退団いたします。入団当初はまだ髪が黒く、また日本語も少々変わっていて、仙台朝市で買い物をしていると、お店の人に「日本語がお上手ですね」と何故か褒められたのは今ではいい思い出です。
私の在籍中にはヨーロッパ公演(2000年)、そして2011年8月にはアジア・フィルの海外ツアーに仙台フィルの代表として送られ、韓国・中国等で演奏できたことは非常に楽しい経験でした。その際に、息子に提案され、北京の毛主席紀念堂に足を運び 、本物の毛沢東の遺体と対面できたのは貴重な体験でした。2013年3月には当時まだ平和だったロシア公演があり、サンクト・ペテルブルグとモスクワの両都市を訪れ、大喝采を受け、オーケストラ全体が喜びを感じました。これらの海外公演を通じてオーケストラが成長し、その一翼を担えたことは私の人生で最も貴重な経験でした。
最後になりますが、仙台フィルの新たな本拠地となる予定の音楽ホールの完成を楽しみにしており、これからの発展を見守っております。今まで本当に応援ありがとうございました。

チェロ奏者 田澤緑
 
感謝!の40年
楽団員になって40年、仙台フィルの歴史と共にあって、一緒に育てられてきたことには感謝しかありません。
創世記の芥川也寸志監督のおっしゃっていた「仙台ならではの仙台のオケだからこそ出せるサウンド」という概念が、少しわかってきたように思いますし、実際今では本当に素敵な音を出すオーケストラに成長したんだ、仙台フィルに居られて良かった、と胸を張ることができます。

これから若い奏者が次々入るでしょう。もはや伝統といっても良い部分もあるでしょうが、そこに新しい風が吹いて一段と魅力的なオケになることを願いますし、仙台フィルの持つエネルギーが更に発展していくことは間違いないと信じています。

新ホールの建設も現実化してきました。この機運が市民の方々のオーケストラへの興味が広がることを強く願いますし、私がやれることは、そのお手伝いの一端を担うことなのかなと思って活動をしていきたいと思っています。

チェロ奏者 山本 純
 
徳島で生まれ、高校卒業までをそこで過ごした者にとっては、本州への憧れはそうとうな物でありました。
大学を東京に選び、4年間の生活でしたが……大都会の喧騒にはどうしても慣れないのです。
大学卒業後のエキストラ時代の中、23歳の11月、急行(特急?)の列車が到着し、仙台駅に降り立ちました。初の東北…… 大学時代に新潟のアマチュアオーケストラに行ったのが(途中で食べた峠の釜飯、旨かったなぁ)、本州最北でした。 新幹線を見越しての仙台駅舎。デカイ!! 正直、仙台(いや東北)を馬鹿にしてた自分がいたのです。 ペデストリアンデッキ(あったと思いますが)から駅前の風景……青葉通りの、片側四車線の大通りと、中央分離帯のけやき並木。 あれを見た瞬間は未だに忘れられません。 「住むならここだわ~」 衝撃の対面でした。

宮城フィルの練習場に行くと、大学の先輩達がウヨウヨ。 ここは大学か?
その日の内に、大学の先輩と呑みに………サンマの刺し身、金華サバ等々始めて食べた物ばかり。ご飯も最高!地酒も旨い これは、このオーケストラに入るっきゃないでしょ~~~! で、次の年に募集を聞き、受けたという訳なんです。

必然的出会い。オーケストラもそうですが、今まで関わらせていただいた方々、長年連れ添った諏訪部百合ちゃん。 たくさんのご恩を受けてきました。それをお返しできなかった事は残念ではありますが、 皆様、どうかお元気でお過ごしください。 健康と笑顔が一番ですから
 
コントラバス奏者 河野昭三
 
1982年の5月入団ですので、ほぼ41年のオーケストラ生活でした。(ただし1991年から1年間パリにおりましたので、実際には40年間になります。)
私は福岡生まれの広島育ち、大学は東京で、縁もゆかりも無い東北にある宮城フィルがフルート奏者を募集していたので、24歳で仙台に住む事になりました。
それまで経験の少ないオーケストラでの演奏に不安がありましたが、先輩方の暖かい励ましによって、周りに迷惑をかけながらも、これまで演奏を続ける事ができました。 しかも、独りでフルートを吹いていたのでは決して経験できないマーラー、チャイコフスキー、ストラヴィンスキーなどの素晴らしい作品の演奏に参加できたので、仙台フィルの一員でいられた事は本当に幸運でした。

これからは仙台フィルを外からサポートする事になりますが、一方、現役では絶対出来なかった計画があります。それは「第九」の合唱団に参加する事です。
もしも在職中の団員が降り番や有給休暇を利用して仙台フィル「第九」の合唱団に混じっていれば「何サボってんだ!」「ちゃんと自分の席に座って仕事しろ!」と、お叱りを受けるに違いありません。
英語とフランス語は少しだけできますが、ドイツ語は全くダメ!
 ドイツ語のアルファベットは「A」(アー)から「H」(ハー)までしか知りませんし、単語も知っているのは「Schnell」(速く)、「Langsam」(遅く)ぐらいで、後は辞書で調べなくては意味がわかりません。
これから「第九」を歌うには、新たにドイツ語の勉強を始めなくてはなりません。しかし、合唱団の位置から指揮者はどう見えるのか?フルート奏者たちの後ろ姿はどう見えるのか?コンサートマスターは……?楽しみです。

このホームページをご覧になってくださっている皆様、コンサートに足を運んでくださっている皆様、いつも本当にありがとうございます。
これからは皆様と同じ場所から仙台フィルを楽しみ応援する事になります。コンサート会場で私を見かけたら、気軽にお声をかけてください。
それも、これからの私の楽しみの1つになります。

フルート奏者 山元康生
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