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2018/12/21

おとなとこどものためのクラシック入門 『仙台フィルのクリスマスコンサート』プログラムノート

仙台フィルのクリスマスコンサート 公演情報はこちら→

 

フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲

貧しい家の兄妹ヘンゼルとグレーテルは、迷い込んだ森の奥でお菓子の家にたどり着きますが、そこには恐ろしい魔女が住んでいて……ドイツの作曲家エンゲルベルト・フンパーディンク(1854~1921)は、グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』に歌と音楽をつけて、誰もが楽しめるオペラ(歌劇)に仕立てました。全曲をとおして神様への祈りと感謝が込められており、クリスマス・シーズンになると世界中の劇場で上演されます。

 

本日お聴きいただく前奏曲は、オペラのはじまりにオーケストラのみで演奏されるもので、劇中に登場する様々なメロディを織り込んで作られています。冒頭、4本のホルンからはじまるやさしい調べは、ヘンゼルとグレーテルが森の中で眠りにつく場面に歌われる「祈りの歌(夕べの祈り)」。つづいて軽やかなトランペットが奏でるのは、魔女の呪いをとく魔法の言葉。その他にも様々な場面を表す音楽がつめ込まれています。最後は再び「祈りの歌」が奏でられ、おだやかに曲を閉じます。

彼のオペレッタの中でもとりわけ優れているのが1874年に初演された「こうもり」である。富裕な紳士アイゼンシュタインに恥をかかされた友人ファルケが舞踏会を企画し、機知に富んだたくらみを仕掛けてアイゼンシュタインに仕返しするという喜劇で、全編にわたってウィーン情緒豊かな音楽が満載の傑作だ。序曲もそうしたこのオペレッタの内容を凝縮した楽しい曲で、本編の中のいくつかの旋律に基づいて巧みに纏め上げられている。

 

 

チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」 作品71a

ロシアの大作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840〜93)が音楽をつけたバレエ「くるみ割り人形」は、ドイツの童話をもとにした心ときめくクリスマス・イブの物語。この組曲は、チャイコフスキーがバレエの中から演奏会用に8曲を抜き出したものです。

 

不思議な物語のはじまりを告げる「小序曲」の後、「特徴的な踊り」では個性豊かな登場人物たちによるダンスの音楽がつづきます。「行進曲」は、プレゼントをもらった子どもたちが、クリスマス・ツリーの周りを大喜びで踊りまわる場面です。少女クララがもらったくるみ割り人形は、魔法で姿を変えられていた王子様でした。クララは王子様にいざなわれ、おとぎの国で夢のような時間を過ごします。「こんぺいとうの精の踊り」は、お菓子の城の女王様の踊りです。繊細な砂糖菓子にぴったりのきらきらした音色は、当時発明されたばかりの鍵盤楽器チェレスタのもの。つづく世界各国のお菓子の精たちによる歓迎のダンスは、大麦糖(トレパーク)の精の勇ましい「ロシアの踊り(トレパーク)」、コーヒーの精のゆったりと香り立つような「アラビアの踊り」、お茶の精の愛嬌たっぷりな「中国の踊り」、フランス菓子のミルリトン(アーモンドのタルト)の精による「あし笛の踊り」。最後は、女王様の侍女たちが大勢で舞う「花のワルツ」で豪華絢爛に終わります。

 

 

バーンスタイン:「ウェスト・サイド・ストーリー」セレクション

幻想的なドイツの世界観から一転して、舞台は現代アメリカへ。「ウェスト・サイド・ストーリー」は、シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』をベースにアメリカの社会問題を描いたミュージカルの名作です。ニューヨークの下町に暮らす少年トニーと少女マリアは、敵同士でありながら許されない恋に落ちます。最後は、トニーの死をもって敵対するグループがようやく和解の道を歩みだしますが、若き恋人たちは永遠に引き裂かれてしまいます。心をえぐるストーリー、斬新なダンス、そしてアメリカの天才音楽家レナード・バーンスタイン(1918~90)によるジャズなどを取り入れたモダンで刺激的な音楽は、世界中を熱狂させました。

 

有名なナンバーの中から「アイ・フィール・プリティ(素敵な気持ち)」、「マリア」、「サムシング・カミング(何かが起こりそう)」、「トゥナイト」、「ワン・ハンド・ワン・ハート(ひとつの心)」、「クール」、「アメリカ」の7曲がメドレーになったこのセレクションは、悲しい結末とは異なり、にぎやかに曲を結びます。

 

 

アンダーソン:
舞踏会の美女、ジャズ・ピチカート、ジャズ・レガート、ワルツィング・キャット、
クリスマス・フェスティバル

身近にあるものは何でも見事に音楽で描きだしてしまう、アメリカ軽音楽の巨匠ルロイ・アンダーソン(1908~75)は、バーンスタインと同時代に活躍した作曲家です。短いながらもアイディアとユーモアがたくさんつまった素敵な作品たちの中から、5曲をお届けします。

 

舞踏会の美女

ダンスパーティーに現れた、誰もが目を奪われるような美女。ドラマティックな3拍子のワルツです。曲の途中で聴こえる可憐なベル(鉄琴)の音は、「美女と野獣」の主人公の“ベル”とかけられているそう。

 

ジャズ・ピチカート

弦楽器が最初から最後まで弦を指ではじく奏法(ピチカート)で演奏します。ジャズの陽気なリズム、管打楽器のカラフルな音色が楽しい作品です。

 

ジャズ・レガート

「ジャズ・ピチカート」と対で書かれた作品。こちらは、弓をつかった弦楽器のなめらかな音色が小粋に響きます。

 

ワルツィング・キャット

子ねこが遊ぶ様子は、どこか優雅で、なんだかワルツを踊っているよう。ヴァイオリンの方からは、かわいい鳴き声が聞こえてきます。楽しく遊んでいたら、最後にはある動物に驚かされて、あわてて逃げ出してしまいます。

 

クリスマス・フェスティバル

オーナメントでいっぱいのクリスマス・ツリーのような、「もろびとこぞりて」や「きよしこの夜」、「ジングル・ベル」などのクリスマス・ソングをたくさん集めたメドレー作品。オーケストラの輝かしい響きが会場いっぱいに降りそそぎ、演奏会の最後を彩ります。

 

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