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「第九」特別演奏会のプレ講座を開催いたしました
2022-12-20
カテゴリ:読み物
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「第九」公演を前にして
指揮の角田鋼亮氏、合唱団指揮の佐藤淳一氏を迎えプレ講座を開催しました。
角田鋼亮氏からは、ベートーヴェンが洗礼を受けたミノリーテン系の教会は異教徒に対しても寛容で、自然を愛する精神もあり、それが彼の作風に影響していたとのお話しで始まりました。また若い頃からシラーの「歓喜に寄す」を知っていた事、耳が聴こえなくなっていくことで悲観的になる中、「自分を死から引き留めたのは芸術である」(“ハイリンゲンシュタットの遺書”より)との思いや、その後「第九」作曲への原動力となったいくつかの要素をご紹介されていました。

「第九」については、調性の意味、拍子や和音、そして表現方法の意味等を説明し、この交響曲は音楽の歴史が全て詰まっていて、ルネッサンス期から始まり、後に生まれる先鋭的な12音技法までをも予感させるような作風がバランスよく共存できている魅力的な作品であり、その上で各楽章の特色を分析すると…
・第一楽章は小さいモチーフのやり取りで、その場に安住できない緊張感を導き出して「喜びの歌」を予感させるようなテーマの“種”となる断片が出てきている。
・第二楽章の断片的なリズムの繰り返しのような作風は以前にはなかった。戦争を想起させるような馬のリズムが特徴。
・第三楽章は心の内面を覗いていくような音楽。最初の分部の形式は告別、さよならを告げる時の音が出てくる。現世との別れを意味するかのようにも感じるし、天上の世界に到達したようにも聴こえる。
・第四楽章は現世から離れたところにいったん身を置いたが、やはり自分は現状に対しての不満や感情と戦っていかねばならないとの思いが示されるように始まる。各楽章の回想シーンが演奏され、トルコマーチや東洋風5音階、12音技法を先取りするかのよう、シュプレヒコール風な音楽作りなどそれまでにない革新的な作風であった。
このようなお話がありました。
つづいて佐藤淳一氏はこれまで仙台フィルの「第九」公演の指揮を執った、外山雄三(元仙台フィル音楽監督)、円光寺雅彦(元仙台フィル常任指揮者)、梅田俊明(元仙台フィル常任指揮者)、パスカル・ヴェロ(仙台フィル桂冠指揮者)、山下一史(元仙台フィル正指揮者)、高関健(仙台フィルレジデント・コンダクター)、山田和樹(元仙台フィル元ミュージックパートナー)、現田茂夫、小林研一郎(元宮城フィル首席客演指揮)、尾高忠明各氏の印象を話されました。「合唱団は、自分たちが何をしたいのか意識して歌うように」、「一楽章から終楽章まで70分間の道程の中で、演奏に対する気持ちを充実させてほしい」と話した指揮者の言葉が印象的だと話されました。
また、各指揮者による合唱の仕上げ方、ドイツ語発音のこだわりなどをお話しいただきました。

2時間を超える時間ではありましたが、これまで何度も「第九」を経験している人は勿論のこと、初めて「第九」を聴く人にとっても極めて興味深い話に来場の50名の皆様は聴き入っていました。プレ講座の最後には、会場からの質疑応答もあり充実の時間でした。
 
12月11日(日)日立システムズホール仙台エッグホール
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