仙台フィルと愉しむ「オーケストラ・ザンマイ!」Vol.5 ~弦(つる)の響き~
その聴きどころを聞いてみた!
オーケストラの多彩な魅力を様々なアプローチで紹介している「オーケストラ・ザンマイ!」シリーズ。今年6月のVol.5は「弦(つる)の響き」。うーん、でもイマイチ演奏会の内容がわからないんだなぁという、オーケストラ鑑賞歴1年目「ハテナちゃん」が、企画担当の仙台フィル事務局「ミスターS」にインタビューしてみました!
(作成・文責:仙台フィル事務局)
ハテナちゃん あのー、ミスターS(…ドキドキしながら)。今回の「オーケストラ・ザンマイ!」ですけど、「弦(つる)のひびき」っていうタイトルで、曲目だけみてもわたしピンと来なくて…。
ミスターS はーっはっは。安心したまえハテナちゃん(覆面して登場)。説明してあげよう(はーっはっは)。オーケストラには「弦楽器」という楽器のグループがあることは知っているかい?
そう!ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスさ!今回の「ザンマイ!」ではこの弦楽合奏が活躍するんだ(管楽器と打楽器はお休み)。弦の奥深さ、幅広さを紹介したいということなんだ(はーっはっは)。
ハテナちゃん え!そうなんだ(ていうか、いちいち「はーっはっは」てうるさいなぁ)。本当に弦楽器だけの演奏会なんだ。弦の素敵な響きって大好きだから楽しみ!でも、ハープの人と、チェンバロの人もいるけど?

ヴァイオリン 神谷 未穂

ハープ 高野 麗音

チェンバロ 梅津 樹子
ミスターS はーっはっは。そう思うだろう?僕たちはどうしても「弦楽器」っていうと、ヴァイオリンやチェロといった楽器ばかり思い浮かべてしまう。でも「弦を使った楽器」と考えるなら、実はハープもチェンバロも弦楽器と言えるんだよ。だ・か・ら「弦(つる)の響き」っていう一風変わったタイトルにして、幅広く「弦」の魅力を紹介したいと思ったわけさ!
ハープは指で弦を弾いて演奏する撥弦(はつげん)楽器。チェンバロは実は楽器のなかの「爪」が弦を弾いて演奏する撥弦鍵盤楽器というわけ。すごーく簡単にいうと、ハープは弓を使わずに指で演奏する弦楽器。チェンバロは、そのハープがやっていることを楽器の中のシステムが鍵盤を通じてやっているわけさ。わかるかなー?はーっはっは。
ハテナちゃん (急にレベル10になった気がしますけど)あ、何となくわかりました。要するに、弦を使った楽器を集めたスペシャルってわけね!でも、何だか難しそう。私ついていけるかなあ・・・。
ミスターS はーっはっは。安心したまえハテナちゃん。ヴァイオリンの神谷さん、ハープの高野さん、チェンバロの梅津さんにも参加してもらって、楽器の仕組みとか曲の話とか、私がコンサートの曲間でしっかり解説していくから、なーんの心配もいらないのさ。はーっはっは。
ハテナちゃん そうなんですね!だったら気軽に楽しめそうね (っていうか、この人本番に登場するんだ・・・)。
ところで演奏曲なんですけど、ちょっと知らない曲も多くてイメージがあんまり・・・。

ミスターS ヴィヴァルディは17~18世紀のバロック時代の人で「四季」は代表作。
ヴァイオリン独奏と弦楽合奏が織り成す、素朴な自然や情景の描写が魅力的(鳥の声や犬の声も表現されてるんだ)。神谷さんのソロにワクワクしちゃう。 (※神谷さんは他の曲にもコンサートマスターとして登場するよ)
続く「ザ・ビートルズ・オン・バロック」は、実はすごーく面白い曲で、「四季」や「G線上のアリア」も含むバロック時代のメロディがいつの間にかビートルズのヒットナンバーと合体しちゃってる、池辺晋一郎さんの若き日の傑作なんだよ(N響アワーに出てた人だよ)。この曲は当時レコードで発売されてね、結構売れたんだって池辺先生が嬉しそうに言ってたなあ(はーっはっは)。
だからコンサート前半では、弦楽アンサンブルを通じて、バロックからビートルズまで時代を行き来できるのさ。あ、ちなみに前半2曲ではチェンバロが登場するよ。池辺先生は楽器編成の点でも、弦楽合奏+チェンバロというバロックのスタイルで書いているのさ。
ハテナちゃん へえ~。バロックとビートルズの合体というわけですか。バロック音楽の楽しみに加えて、編曲の面白さも味わけるわけね。「イエスタデイ」とか私も知ってるし、確かに面白そう!でも・・・後半の曲のキラールって、だ、だ、誰?ドビュッシーとマーラーも、あんまり聴いたことなくって。

ミスターS 「戦場のピアニスト」って映画を知ってるかい?20年以上前の映画だけど、ショパンのメロディが用いられた感動的な映画だった。この映画の音楽を担当したのが、ポーランドの作曲家キラールなんだよ。今回演奏する「オラヴァ」は弦楽合奏の10分位の曲なんだけど、一言でいうと「めっちゃ楽しい」曲!途中のちょっと現代的な響きも面白く、スカッとしたラストまで釘付けになっちゃう!仙台フィルのキャラクターにぴったりな曲じゃないかって思うんだ。

そのあとのドビュッシーでは、ついにハープが登場。これは独奏ハープと弦楽器の協奏曲と言ってもいいと思うんだけど、本当に、本当に、うつくしい音楽なんだ。なかなかハープの協奏曲って演奏機会が少なくて、このドビュッシーの演奏は貴重。ハープと弦楽が掛け合いながら2つの踊りによって優雅に、ふんわりと、世界を彩っていく感じ(うっとり・・・)。もちろん、楽器のヒミツもコンサートの中で紹介するよ。

最後は、マーラーの「アダージェット」だね。弦楽合奏の醍醐味といえる不朽の名作だ。ヴィスコンティ監督の映画「ベニスに死す」でも有名。種明かしになっちゃうけど、この曲だけ人数多めの弦楽合奏で、ハープもオーケストラの中に参加して演奏するんだよ。いやあ、この曲は何だが感動がぐーっと迫ってきて、もう余計な説明は要らない。僕が人生で出会えて良かったと思う曲のひとつだなあ。ドビュッシーもマーラーも、19~20世紀にかけて活躍した作曲家・・・そんな時代の共通性もあるね。
ハテナちゃん 前半がバロックにちなんでいたのと比べて、後半は時代が新しくなったってことか。
ハープもあって、弦楽の魅力が確かに広がる感じがします。うん、話を聞いたら楽しみになってきた!
それで、コンサート本番に行けば、きっとミスターSの正体もわかるってことですね!あれ?ミスターS、どこに行きましたか? おーいミスターS!おーい!
(本番に続く―――)

