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コンサート情報

第316回定期演奏会

日程
2018年2月16日(金)・17日(土)
16日/午後7時開演(午後6時30分開場)
17日/午後3時開演(午後2時30分開場)
場所

日立システムズホール仙台・コンサートホール

出演

指揮:渡邊 一正
ピアノ:牛田 智大

プログラム

リスト:交響詩「レ・プレリュード」
リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35

料金
【全席指定】
S席:¥5,000
S席ユース:¥2,000
A席:¥4,500
A席ユース:¥1,500
Z席:¥2,000
※ユース券は、ご来場の演奏会当日に25歳未満の方が対象
※未就学児童のご入場はできません
※ご来場の際には、近隣の駐車場には限りがございますので、公共交通機関をご利用ください。


※16日(金):メールによる受付は終了いたしました。ご希望の方は、仙台フィルサービスまでお問い合わせください。演奏会当日は、完売の場合を除き会場窓口にてチケットを販売いたします。
(お電話でのお申し込みは、2月16日(金)の正午まで)




※17日(土):チケットは売り切れました。
◆当日券のご案内

仙台フィルでは、関係者、取材等でご入場なさるお客様については招待状で対応しております。そのため、招待状をご利用にならないお客様がいらっしゃった場合には当日券(指定席)に振り替えて販売いたします。
当日券の発売は、下記のとおり整理券を配布し、番号順にお呼びいたしますのでお待ちいただくこととなります。ただし、整理券をお持ちでも当日券をご購入いただけない場合もございますので、何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。詳しくは仙台フィルサービスまでお問い合わせください。
・整理券配布開始時間:午後2時00分より
・当日券発売予定時間:午後2時50分頃
 ※券種はご指定いただけません。



お問い合わせ

仙台フィルサービス
TEL:022-225-3934

 プログラムノート

寺西 基之

リスト 交響詩「レ・プレリュード」S.97/R.414

フランツ・リスト(1811-86)は、19世紀のロマン派の時代にあって、様々な点から音楽の革新を求めていった作曲家であった。そのひとつに文学的な題材や詩的な想念に基づく標題音楽の表現手法を開拓したことが挙げられる。そうした標題音楽の追求は諸芸術の融合を理想とした当時のロマン主義思想に発するものであった。とりわけ管弦楽の分野における標題音楽のあり方として交響詩という新しいジャンルを確立したことは音楽史上きわめて大きな功績である。彼は全13曲の交響詩を残したが、そのうち12曲が中期にあたる壮年期のヴァイマル時代に書かれていることから、最も脂の乗っていた時期に交響詩という曲種の開拓に特に力を入れたことがわかる。

 

彼の交響詩の中で最も広く知られ、演奏機会も多い名作が「レ・プレリュード(前奏曲)」である。彼はこの作品を当初、1848年にフランスの詩人ジョゼフ・オトランの詩による男声合唱曲「4大元素」の序曲として作曲した。しかしのちにその音楽をフランスのロマン主義詩人アルフォンス・ドゥ・ラマルティーヌの《新瞑想詩集》の中の詩に対応させることによって、1854年、曲は新たに交響詩として生れ変わることとなったのである。もとの「4大元素」は長らく失われていたため、ラマルティーヌの詩による交響詩「レ・プレリュード」へと衣替えする際に音楽も大幅な改作が施されたと考えられていたが、近年「4大元素」の手稿譜を発見したリスト学者の野本由紀夫氏によると両者は基本的に同一のもので、「4大元素」序曲にそれとは全然関係のないラマルティーヌによる詩があとからあてはめられたということである。

 

曲は、まず死を示唆する不安な音調のうちに開始され(その冒頭の3音動機が全曲にわたって様々に変容される)、怖れ、瞑想、決意、憧れなど様々な気分の揺れ動きのうちに発展をみせていき、やがてホルンが人生における光である愛を深々と表現する(この旋律も以後変容される重要な要素)。ほどなく、それを遮る人生の嵐が激しい劇的な音調で描かれる。その嵐を忘れさせるのが田園生活で、牧歌的な音楽が穏やかな気分をもたらす。しかしまたも戦闘ラッパが聞こえ、人生の戦いが始まる。勇壮な行進曲のうちに、それに敢然と立ち向かって自己の意識を確立する人間が描かれ、最後は人生を謳歌するかのような力強い盛り上がりのうちに閉じられる。


 

リスト ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124/R.455

ロマン主義者としてのリストの革新的な試みは、前項で触れた標題音楽の開拓の他にも、新しい形式原理や主題変容の手法の追求、後期における和声語法の大胆な実験など実に多岐にわたり、以後の音楽史の流れに多大な影響を及ぼした。ピアノの技巧性の探求も彼の重要な功績である。少年期からピアノの名手として鳴らした彼は、作曲家としても多くのピアノ曲の創作を通して名技性を窮めていったのである。

 

ピアノ協奏曲第1番もピアノの技巧を存分に生かした名技的な作品だ。同時に、単一楽章という従来の協奏曲の様式から外れた構成をとっている点も革新主義者リストらしい。たしかに内容的には4つの楽章―アレグロの冒頭楽章、緩徐楽章、スケルツォ、フィナーレ―が続く形をとっているものの(実際これまで複数の楽章に明確に分けた出版譜も流布してきた)、これら4部分に共通の主題を変容して循環させることにより、全曲がソナタ形式の応用ともみなされるような、ひとつの流れを持つ統一体として構築されているのである。このように一繋がりで形作られた単一楽章のうちに多楽章の要素を盛り込む構成法はリストが好んだ手法で(先駆としてはシューベルトが1822年に書いたピアノのための「さすらい人」幻想曲があり、リストはこれをピアノと管弦楽用、および2台ピアノ用に編曲している)、有名なロ短調のピアノ・ソナタ(1853年完成)はこの協奏曲に共通する構成をとっているし、他の2曲のピアノ協奏曲(1839年の番号なしの変ホ長調、1861年完成の第2番イ長調)も、形式的には異なるものの、やはり単一楽章構成をとっている。

 

決定稿が出来上がるまでに紆余曲折の長い歳月を要した点もリストらしい。最初のスケッチは1832年頃で、1835年にまず3楽章の協奏曲として完成、1839年に単一楽章構成に改訂されるも、その後ヴァイマルに移ってからさらに改訂が続けられ、1849年にはトライアングルを加えた改訂稿が仕上がるが、1853年にこれをさらに改訂、1855年の初演の後も手直しして、1856年に現行の形となったのだった。

 

第1部(アレグロ・マエストーソ、変ホ長調)は、弦合奏が奏する力強い半音階的な主題(全曲の基本動機)に管の和音が応えて始まる。これにピアノが華麗に応じ、管弦楽と叙唱風のやり取りをした後、直ちに技巧的なカデンツァに入る。対照的に第2主題は叙情的な甘美さを湛えている。

 

第2部(クワジ・アダージョ、ロ長調)は緩徐部分。主要主題は、まず冒頭で弱音器付きの低弦、続いて第1ヴァイオリンに予示された後、ピアノによって全貌が示されるロマンティックな夜想曲風のもの。激しい叙唱的な一節やカデンツァを経た後、ピアノのトリルを背景にフルートとクラリネットが美しい旋律を歌い交わす部分も印象的だ。

 

第3部(アレグレット・ヴィヴァーチェ、変ホ長調)はスケルツォに相当する。トライアングルの響きに始まり、以後も軽快に躍動するピアノと管弦楽にトライアングルが合いの手を入れていく。やがて第1部の冒頭主題が回帰して雰囲気が緊迫し、先の緩徐部終りの旋律も力強く再現される。

 

第4部(アレグロ・マルツィアーレ・アニマート、変ホ長調)は軍隊行進曲風の勇ましい主題(実は第2部の叙情的な主題の変容)に始まるフィナーレ部分で、他のこれまでの諸主題も様々な形で再現され、プレストの華やかな終結に至る。

 


 

リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」作品35

ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)はロシア民族主義を追求したグループ“力強い仲間(五人組)”の一員だった。彼はこの一団の仲間たち同様にディレッタント音楽家として出発したが、1871年にペテルブルク音楽院教授に迎えられたのを機に音楽理論を独学で習得、以後はアカデミックな路線をとるようになり、「和声法教程」や「管弦楽法」などの優れた理論書も著している。

 

1888年夏に書かれた交響組曲「シェエラザード」は、そうした彼のアカデミックな書法が民族主義的な異国趣味に結び付いた傑作で、前後に書かれた「スペイン奇想曲」(1887)や序曲「ロシアの復活祭」(1888)とともに彼の全盛期の始まりを告げる作である。タイトルに示されているように《千一夜物語(アラビアン・ナイト)》を題材としたもので、作曲者自身、スコアの題辞の中で「トルコ王シャリアールは女性を不実なものと信じ、どんな女も初夜の後に殺害すると誓った。しかしシェエラザードは王に毎夜面白い話を聞かせたため、王も彼女を殺すのを日一日と延ばし、千一夜過ぎて遂に王は誓いを捨てた」と説明している。

 

また彼自身、《千一夜物語》の多くの物語から「互いに関連のない4つのエピソード」を選んで作曲したことを述べており、実際に初演(ロシア旧暦で1888年10月22日ペテルブルク、指揮は作曲者自身)の際には各楽章の標題的内容を示唆していたが、聴き手が標題に捉われすぎてしまうことを嫌って、出版にあたって標題は削除した。

 

しかしながら本質的に標題音楽作品であることはいうまでもなく、リムスキー=コルサコフの描写的な表現力は実に迫真性に富んでいる。とりわけ巧みな管弦楽法と楽器法には彼の類い稀な技量が示されており、色彩感溢れる華麗な響きを持つ曲でありながら、それがシンプルな2管編成(やや変則的だが)から引き出されている点は注目されよう。シェエラザードを表す独奏ヴァイオリン(コンサートマスターの腕の見せどころ)の活用も独創的である。こうした巧みな書法は全体の構成にも当てはまり、「互いに関連のない4つのエピソード」を描いているにもかかわらず、全曲が交響曲のような配列とバランスで纏め上げられており、さらにシェエラザード主題をはじめとする幾つかの主題を循環的に全曲通じて使用することで全楽章が有機的に統一されている。なお前述のように作曲者は最終的に各楽章の標題を削除したが、以下の解説では当初考えられていた標題を“”で付しておく。

 

第1楽章“海とシンドバッドの船”(ラルゴ・エ・マエストーソ~アレグロ・ノン・トロッポ、ホ短調)では、まず序奏で荒々しい王の主題とヴァイオリン独奏のシェエラザード主題が示される。主部では、王の主題が海の主題として用いられ、それにヴァイオリンのシェエラザード主題も加わる。雄大な海の見事なうねりの描写は、もと海軍士官だった作曲者の航海体験によるといわれる。

 

第2楽章“カランダール王子の物語”(レント~アンダンティーノ、ロ短調)は シェエラザード主題による序の後、遊行僧といわれるカランダール王子の物語が変化溢れるスケルツォ風の曲想のうちに描かれる。随所で管のソロが生かされる。

 

第3楽章“若い王子と王女”(アンダンティーノ・クワジ・アレグレット、ト長調)は叙情的な美しさを持つ楽章で、主部では甘美な主題が歌われる。対照的に中間部は軽やかなリズムが躍動する。

 

第4楽章“バグダッドの祭。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲”(アレグロ・モルト~ヴィーヴォ~アレグロ・ノン・トロッポ・マエストーソ、ホ短調)ではまず王の主題とシェエラザード主題が現れた後、リズミカルな主題を中心に既出の諸主題を交えながら、祭の賑わいが打楽器を生かしつつ描かれる。やがて第1楽章の海のうねりが再現されて高潮、難破へ向け大きな頂点を築く。物語は終り、シェエラザード主題が独奏ヴァイオリンに穏やかに現れてカデンツァを奏すると、王の主題が改悛したように低弦に鳴り響き、曲は静かに閉じられる。

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