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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.86 ヴァイオリン:近田 朋之Interview

ヴァイオリン 近田 朋之

楽しくてのめり込んだ基礎工学部時代のオケ活動。
そこから大きな決断をして、音楽の道に入りました。

 

 

 

車が好き。実家のある埼玉までは往復700キロ運転して帰ってます。YouTubeで動画見るのも楽しみです。

基礎工学部で学びながら、大学オケのコンサートマスターに

父の判断でヴァイオリンを始めたのは3歳のときです。アマ チュアオケでヴィオラを弾き若いときは指揮者にあこがれて いたというから、長男の僕に本格的にやらせたかったんで しょうね。桐朋学園で教えていらした恵藤久美子先生のもと に通いました。土曜日のレッスンには父がつきっきり、休日は 練習をチェック。まるで父の義務教育のよう(笑)。でも、その ころ僕が心底好きで心踊らせてたのは電車でした(笑)。

中学の部活は科学部、高校では数学部。もともと理系なん ですよ。ヴァイオリンは続け、高校のときにも全日本学生音楽 コンクールを受けたのですが、入賞はできず入選止まり。それ で、音大ではなく普通大学に進学することに決めたんです。 もう父は何もいいませんでした。

一浪して東京理科大学の基礎工学部に入学し、2年のとき にオーケストラ部に入りました。これが楽しかった!ヴァイオリン を弾いてきて初めて感じた楽しさだったかもしれません。 初心者も含めメンバーは50~100人ぐらい。3年のとき1年間 コンサートマスターを務めました。年2回の定期演奏会をこな す中で、指揮者の先生とも親しくなるし、各パートの指導に いらっしゃる演奏家の先生たちとのつきあいも広がりました。

年に1回、ヴァイオリンパートだけの発表会もあったんですね。 ピアノ伴奏は小川由希子先生にお願いしていたのですが、 あるときこういわれたんです。「今度、仙台フィルのオーディ ションがあるから受けてみたら?」

大学院を中退し音楽の道へ

もう、びっくりでした!そのとき僕は大学院の1年生。卒業し てどこか企業に入ると考えていたけれど、先は見通せないし 不安でした。勉強も大学3年を過ぎるあたりからすごく難しく なってきてましたし…。ふっと、生涯ヴァイオリンを弾いて生き ていくのもいいかもしれないな、と思えてきて。

オーディションまで半年ある。よし、受けよう!そう、決めました。 オケ活動のかたわら個人レッスンも再開していたので、頑張 ればいけるんじゃないかという思いもあったんです。1次を 通って2次に残ったとき、大学院をやめるかどうかの決断を 迫られました。担当教授に相談すると「私があなただったら、 音楽の道を選ぶかもしれないね」って。この言葉で決心が ついたんです。

入団して驚いたのは、プロとアマの違い。スケールの大きな 音、表現の豊かさ…その差を痛感しました。初めはなかなか 低音を聴くことが難しかったし、入団直前に楽器を変えた こともあってピアニシモを弾くのが怖くなったりしてね。音大卒 の人にくらべたら確かに学んだことは少ないかもしれない。 でも、いろんな経歴の人が集まっている方がオケとしては 幅が出るんじゃないでしょうか。

演奏のおもしろさはパート同士のやりとりにあると思います。 他のパートがこうきたら、自分たちはどう返すか。僕は前に 座っている首席を見ます。その体の動きを見て、みんなで 合わせいっしょに返す。みんながいるからやれるんです。その とき妥協して合わせるんじゃないやり方で一つの方向にまと まっていけたらいいと思うんですね。プロである以上、エース でいたい。完全燃焼して最高のプレイをしたいです。

ちかた ともゆき
3歳からヴァイオリンを恵藤久美子氏に師事。中学からは小栗まち絵氏にも学ぶ。東京理科大学 大学院を1年で中途退学し、2006年に仙台フィルに入団。1981年生まれ。埼玉県鳩山町出身。

第307回定期演奏会(2017年2月11日)プログラムより

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