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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.82 クラリネット:下路 詞子Interview

クラリネット 下路 詞子

入団1年、まだスタート地点についたばかり。
もっともっと曲への理解を深め、レパートリーを増やしていきたいですね。

 

 

 

いま運転免許の教習中。メンバーの方が親切で、何と中古車まで見つけてきてくれたんで買っちゃったんです。免許とったらぜひ乗ってもらいたいです(笑)

レッスンのきびしさに泣きくれた受験のころ

ちょっと変わり種でしょうか。クラリネットを始めたのは小6 のとき、武蔵野音大附属の音楽教室でなんです。小さい頃 から近所のピアノ教室に通っていて、高学年になった時に音楽 教室に入り、そこでもう一つピアノ以外の別の楽器をやる ことになったのですが、そのとき選んだのがクラリネットでした。 理由はあこがれのオーボエに見ためが似ていたから。いま 振り返ると、小さい頃から旋律を歌いたかったのかもしれま せん。中学ではブラスバンド部にも入部して、何と1年間は ユーフォニウムをショボイ音で吹いていたんですよ。音も譜面 も自分にはしっくりこない…と感じながら(笑)。

高校は音楽高校でなく普通高校に入学しましたが、高校 入学の前後あたりに、音大に行こうと決心しました。

高1のとき音楽教室のピアノ科からクラリネット科に移り、 そこでクラリネット奏者の三倉麻美先生と出会ったんです。 「将来はどうしたいの?」と聞かれ「プロになりたい」と遠回し に伝えると、「じゃあ、本格的な準備をしないとね」と諭され、 一音一音どんな音を出すのかきびしい指導が始まりました。 高3からは新たに藝大で教えている山本正治先生を紹介 され通い始めたのですが、それまでは音楽教室でほめられて 育ってきたので、きびしい稽古がこたえました。毎回、もうダメ かもしれないと思いながらレッスンで泣いて、帰りに自転車 こぎながら泣いて、家でも泣いて。そして受験に失敗して…。

一浪して受かったときは本当にうれしかったです。泣き ました(笑)。

無我夢中で1年が過ぎて

藝大に入学してからも山本先生にはお世話になりました。 怒られながら、食らいついていこうとしていましたね。試験で 選抜され、藝大フィルとのソリストに選ばれたのはいい 思い出です。

大学院2年に上がるとき山本先生以外の方からも学ぶ 必要性を感じて先生に相談し、大学院修了前の1年間は N響の首席クラリネットの伊藤圭先生に師事しました。先生 は宮城県出身で仙台フィルの千石進さん、日比野裕幸さん (2011年3月まで在籍)のお弟子さんなんですよ。伊藤先生 はレッスン中はあまり何もおっしゃらなかったので、言って いただいた少しの言葉の中から、いわんとすることを自分で 考え探るようになりました。

在学中に仙台フィルのオーディションを受けました。私の 時はだいたい60人くらいが1次審査を受けて2次審査に 行ったのは3人、そこからまた絞られて、後日、実際にオーケ ストラで演奏する試験もありました。入団したのはオーディ ションから1年後でした。入ってみると、メンバーみんなの 仲がいいオケですね。

定期演奏会をはじめ、吹いたことのない曲をこなしながら 1年が過ぎ、ようやく流れをつかみかけてきたところです。 とはいえ、まだまだまわりの音が聴けていなくて、「もっと音出 して」といわれることが多いんです。いまは譜読みで精一杯 ですが、もっともっと曲の理解を深めていきたいですね。そして、 1人の演奏家としては、これからクラリネットの名曲のレパー トリーもしっかり身につけていきたいと思っています。

しもじ うたこ
東京藝術大学音楽学部器楽科を卒業後、同大学院音楽研究科修士課程修了。芸大モーニングコン サート、室内楽定期演奏会などに出演。2015年4月仙台フィルに入団。1988年生まれ、東京都出身。

第303回定期演奏会(2016年9月10日)プログラムより

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