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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.69 首席トロンボーン  菊池 公佑Interview

首席トロンボーン  菊池 公佑

仙台フィルは、帰る場所、精神的な支え、ひとつの家族。
和やかに気持ち良く過ごせたらいいなあと思っています。

 

 

 

最近の流行りは、生徒が何人かいるので、「お掃除練習会」と称して、みんなで僕の家を掃除してご飯食べて練習すること(笑)。生徒達には「夢を持とう」「人を大事にしよう」って言ってます。人の中でも僕を一番大事にしてね(笑)嘘です!

中2で出会ったトロンボーン

97キロあるんです。これでも入団当初の115キロからずいぶん減ったんですよ。ここ数年の間に病気したり、個人的にもいろいろあって…。こう見えても、結構くよくよ引きずるタイプなんです(笑)。

トロンボーンは中学の吹奏楽部がきっかけです。初め剣道やってたんですけど、練習がきつかったり怪我したりして、2年生の時に楽な部活だって悪友が誘ってくれたのが吹奏楽部でした。そしたら先生が代わって音大出の若くてきびしい先生がきちゃった。でも、生徒に真摯に向き合ってくれる気持ちがいっぱいの方で、課題を丁寧に指導してくださいました。進路についてもあれこれ相談にのってくれて、地元の短大附属高の音楽科を薦められたんです。僕の音楽への道を開いたのは、100パーセントこの吉田昌史先生ですね 。親はもちろん猛反対。反対を押し切っての進学でしたから、高校3年間はどんなにつらくても弱音は吐けませんでした。

高校ではトロンボーン専攻は学年に僕ひとり。月に1回、通ってきてくださるN響を退団されたばかりの関根五郎先生のレッスンが楽しみでした。初めて受ける専門的な指導でしたから。もともとは吉田先生のような音楽の先生になりたいと思って進学したのに、関根先生は、「トロンボーンのプロになれ」と。いきなりの方向転換で混乱もありましたが、あまり深く考えず頑張ってみることにしました(笑)。

家の事情もあって芸大をめざすことになったのですが、もちろん入れるレベルじゃない。もともと負けん気が強いタイプではないのに、これじゃ合格は程遠いと自分にいい聞かせ、必死で受験に臨みました。

自分の表現を求め悩んだ学生時代

なんとか合格したものの、才能豊かな学生がズラリ、自由に音楽表現をしていくのを目の当たりにして愕然としました。僕は楽譜を見ても何も感じられない…。先生のいうとおりに吹けても自分の表現がない…。3年ぐらいは暗闇の中でもがいてるだけでした。

そんな中、オケの中で吹くのは楽しかったですよ。ブラームスもチャイコフスキーも…オケの曲やるって初めてのことでしたから。みんなでああでもない、こうでもないと積み重ねて本番がくる。ああ、何て楽しいんだろうと思ってました。大学2年ぐらいからプロオケのエキストラに誘って頂けるようになり、現場で教えられたことが今の糧になってますね。

何といっても必要なものは給料(笑)。数々のオーディションを受け、やっとの思いで合格したのが仙台フィルです。フリーでの不安定な生活を経験した後ですから、入団して感じるのは、何よりも帰る場所がある幸せです。地に足を付けているからこそ、思い切って演奏にも挑戦できます。たまに挑戦し過ぎて皆さんにご迷惑かけますけど(笑)。ソロやアンサンブルなど様々な経験をさせてもらってますし…はい、仙台フィルあっての、ワタクシです(笑)。

オケは大きな家族みたいなもの。本番での一体感や感動を分かち合える瞬間は至上の喜びです。そしてお客様からの温かい拍手!やめられませんよ(笑)。

今年は本厄!厄年なんかに負けずに自分ができる最高のパフォーマンスをするため、日々精進していきたいです。

きくち こうすけ
1974年、栃木県宇都宮市生まれ。14歳からトロンボーンを始める。宇都宮短期大学付属高校音楽科を経て、東京芸術大学卒業。フリーランス、神奈川フィルハーモニー管弦楽団契約団員として活動ののち、2003年仙台フィル入団。これまでに、関根五郎、伊藤清、箱山芳樹、平田慎、山本浩一郎の各氏に師事。

第290回定期演奏会(2015年3月20日,21日)プログラムより

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