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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.52 ヴァイオリン 小池 まどかInterview

ヴァイオリン:小池 まどか

いくつもの転機を乗り越えて得たプロの音楽家の道。
自分に課したテーマをこなしながら、前向きにやっていきたいですね。

ヨーロッパ映画が好きなんです。フォーラム仙台とかチネラヴィータとか、よく観にいくんですよ。

中1のときの父の死で得た転機

ヴァイオリンを始めたのは、4歳のときでした。ピアノ教師をしていた母の決断ですね(笑)。姉がピアノをやっていたので、将来はデュオを、と考えたらしいんです。家にはいつも音楽があったし、嫌がることもなくすんなりスタートを切りました。

とってもきびしい先生でね。レッスンは親もいっしょに受け、先生にいわれたことを次のレッスンまでクリアしなくちゃいけない。だから、家でも「先生がこういったでしょ」という母の指導がついてまわるわけです。でも、忍耐強いというのか負けず嫌いなのか、うるさいとも思わずいうことを聞いていました。というよりお菓子でつられてたんです(笑)。「終わったらケーキよ」なんていう甘い言葉にのせられて(笑)。レッスンはきつかったけれど、生徒みんなで弦楽アンサンブルをやる機会があって、それはとても楽しかったんですよ。

転機は中学のときでした。真面目にいわれるとおりに弾いていたのが、先生に対して自分の意志を持つようになるんです。思春期は誰しもそうだと思うのですが、私の場合は、中1のとき父を亡くしたのが大きかったかもしれません。家の経済のことなど、それまで見ないですんでいたことをいろいろ考えるようにもなりましたから。

鮮やかに覚えているのは、中2のときラジオから流れてきたI.ギトリスが演奏するバッハに衝撃を受けたことです。こんなふうに個性を持って“あの人の音よ”といわれる音楽をつくりたい、と強く感じました。急に大人びる時期だったのでしょうね。高1のとき、新しい先生のもとで再スタートを切りました。

節目の年の今年は、古楽器の演奏会を企画

高校のときは、1年間仙台ジュニアオーケストラに在籍していたんですよ。あのとき先生と仰いでいた方々と、いまいっしょに弾いています(笑)。大学3年から仙台フィルにエキストラとしてお世話になって、その後、オーディションを受けて入団しました。

3年間はもうドキドキでした。新しい曲が次々とくるし、大所帯だからメンバーの名前を覚えるのも一苦労で。3年たったとき、正直、挫折しそうな心境で、アフィニス文化財団の助成を受け、ドイツに留学しました。現地では個人レッスンを受けたのですが、音楽を聴いたり食事をしたり伝統ある環境に身を置いたのがよかった。上手な人たちがなかなか就職できないでいるのを見て、日本人が日本のオケで仕事ができるってかけがえのないことなんだ、と気づいたんです。ふっきれました。あれが、2度目の転機でしたね。

帰ってきてからバロックヴァイオリンを学び、東京の古楽器によるオケで演奏したり、仙台でリサイタルを開いたりするようになりました。古楽器とモダン楽器の両方を弾くようになって音楽の幅が広がったと感じています。今年は私にとって節目の年なので、前から弾きたいと思っていたビーバーの「ロザリオのソナタ」を演奏するコンサートを開くことに決めました。青葉荘教会をもう予約したんですよ。

入団して15年になりますが、ヴェロさんになってずいぶん変わりましたよね。リハーサルでは最後の1分まであきらめない、ヴェロさんの一生懸命さが好きですね。これからはエネルギッシュな若い人に入ってもらい、いい空気をもらいながら、もっといいオケにしていきたいな、と感じています。

こいけ まどか
宮城学院女子大学音楽科卒業後、1998年1月に仙台フィルに入団。2001年、ドイツに1年間留学。2006年、第20回国際古楽コンクール山梨第一位。仙台市生まれ。水瓶座、B型。

第273回定期演奏会(2013年4月19日,20日)プログラムより

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