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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.48 首席チェロ奏者 三宅 進Interview

画像-首席チェロ奏者:三宅 進

ここまで成長してきた仙台フィルを、もっとおもしろく変えたい。
風を送り込み、発信して、新しいオケのイメージを創っていきますよ。

休みの日は家でゴロゴロというタイプではないです。趣味は“芝刈り”。ゴルフですよ(笑)。

あの躍進を再び仙台フィルに

仙台フィルにエキストラとして最初に来たのは、かれこれ20年前。新入団員ですけど、歴史的な変遷だって団員の皆さんよりくわしいかもしれませんよ(笑)。

ヨーロッパ公演は2000年でしたね。あの頃の仙台フィルの躍進ぶりはすごかった。上り調子で、経験を積んでどんどんうまくなって、音は若くてフレッシュで。一体どこまで行っちゃうんだろう、と感じていました。サントリーホールで、演奏に圧倒されたことを思い出します。

僕自身はアメリカ留学を終えたあと、数年は群馬交響楽団に籍を置いていたのですが、その後は、ずっとフリーで演奏してきました。“寅さん”みたいに渡り歩いて、行く先々のオケでわぁっと盛り上がって演奏して、次の公演に出かける(笑)。そんな生き方も楽しくて気に入っていたんです。

でも、今回、首席チェロのお話をいただいて、仙台フィルでじっくり腰を据えて仲間といっしょに音楽をつくっていくことに決めました。面白そうだったら乗る、というのが僕の主義。何より、自分が必要とされるというのはありがたいことですからね。

仙台フィルは自由に話せる雰囲気があるのがすばらしい。仲間とコミュニケートしながら、具体的な提案をしていきたいですね。チェロがまとまると、コントラバス、ファゴット…という具合に低音を受け持つ楽器に影響して、オケ全体がいい方向に変わっていく。ちょっとしたことで劇的に変わるはずなんです。

仕事の現場で学んだことを若い世代に

音楽との出会いは、両親がリコーダーを楽しみ、通奏低音が欲しいがために、何と小学生の僕にヴィオラダガンバを習わせようとしたのが始まり(笑)。先生が見つからなくて、チェロになったわけです(笑)。中2からは東京ユース・シンフォニーに入団し、中学校ではマンドリン部に入ってチェロを弾き、音楽家になろうと思うようになりました。

でも、道は平坦じゃなかった。高2のとき、音大に行きたいという僕の才能を見極めるために、縁戚のファゴット奏者の中川良平先生に聴いてもらうよう父にいわれて訪ねるのですが、「まったく何にもなっていない」と自分の至らなさを指摘されるのと同時に、音楽の厳しさと深さを教えられて、帰り道、大泣きしたことは忘れられません。

大学を卒業したあと、アメリカに留学し師事したJ・シュタルケル先生は恐ろしくきびしく、最初の半年はレッスンのたびに怒られ胃をこわしたほどでした。ハイドンのコンチェルトを弾いたときは、僕のナメた演奏に「またブタのように弾いたら、お前は終わりだ!」と、叱責のことばが飛んできた。プロフェッショナルUとしての姿勢を叩きこんでくれたんですね。

僕がここまでやってこれたのは、仕事の現場でかけがえのない勉強ができたから。仙台フィルも若い演奏家たちに、そういう場を提供できたらいい。そしてオケはイメージづくりも大切です。楽しそうだと、若い演奏家もお客さんも集まってくる。どんどんおもしろくしますよ、見ててください(笑)

みやけ すすむ
桐朋学園大学卒業ののち、米国、インディアナ大学に留学。帰国後は長くフリーで活躍してきた。
木越洋、ヤーノシュ・シュタルケル、安田謙一郎に師事。10月から仙台フィルのチェロ首席奏者に就任。1964年、東京都生まれ。

第269回定期演奏会(2012年12月7日8日)プログラムより

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