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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.47 コンサートマスター 西本 幸弘Interview

画像-コンサートマスター:西本 幸弘

そのときにしかない空気感からインスピレーションを得て、その場のお客様みんながハッピーになれる音楽を届けたいですね。

料理好きです。音楽と似てますよね。休みのときはつくりますよ。お酒?イギリスでおいしいビールを覚えちゃったので、まぁ人並みに(笑)。

失敗の経験も、自分の糧にして楽しむ

突然変異だっていわれるんです。父は公務員、母は専業主婦、姉だって体育会系でしたから(笑)。いつも音楽が流れている家ではあったのですが。

始めたきっかけは、6歳のときにテレビでヴァイオリンの演奏を見て、カッコいいなと思ったから。転勤族だった父は、ヴァイオリンなら引越しのときも楽だと考えたらしいんですよ(笑)。でも、どこに先生がいるかわからなくて、新聞配達員さんにヴァイオリン教室の場所を聞いたくらい(笑)。そうやってレッスンがスタートしたんです。

先日、7歳のときの作文が出てきたんですが、将来の仕事に「コンサートマスター」と書いてあってビックリ! 引っ込み思案だったせいか、ヴァイオリンだと感情表現できるので、もっとうまくなりたいと考えるようになったんですね。

とはいっても、中学時代はバドミントン部で部長まで務め指の骨折もやったし、エレキギターを始めてバンドも組んでました(笑)。HBC北海道放送のジュニアオケのメンバーとなり、音楽高校をめざして東京の先生のもとに通い始めるのですが、受験には失敗。ショックでした。でも、普通高校でできた仲間は自分の財産になっていますね。

その上、大学受験も失敗。浪人中は、ホテルマンのアルバイトをしながら、東京にレッスンに通いました。ホテルマンの仕事はすごく楽しかったんですよ(笑)。僕はどんな仕事でも楽しめちゃう。2浪してたら、ヴァイオリンはやめたでしょうね。

自由に、自分を開放して音楽を届ける

学生時代は、1年からオケのエキストラの仕事をして、現場で鍛えられました。だから、卒業するときは、その延長ではなく一皮むけないとダメなんじゃないか、と考え、それまでの仕事の環境を捨てる覚悟で英国に留学しました。英国には世界を牽引していた歴史があり、ヨーロッパ中の文化が織り交ざっていて、本当にいい勉強ができたと感じます。3年間、死にものぐるいで頑張りましたし。

1年目はまったく言葉ができなかったのですが、英語が話せるようになると、リズムの感じ方がまったく違ってきました。日本人はアンサンブルが得意ですが、向こうはそれぞれが好き放題やって、合えば結果オーライ(笑)。自分を自由に開放して、オープンマインドで自分の意志を表現していくことが大切、と気づきました。

仙台フィルは暖かでピュアなサウンドのすばらしいオケです。この10月からコンサートマスターという重責をいただいたわけですが、その作曲家のその曲を、そのときにしかない空気感を大切にしてお届けしたい。1回ごとに違うその場のインスピレーションを生かして演奏したいですね。そして、僕の名前のとおり幸せを広げて、来てくださったみなさんがハッピーになれるような空間を創りたいです。脳天気かもしれないけれど、それが僕にできる仕事なんじゃないかと思っています。人間が好きだから、何でもやりますよ(笑)。

東日本大震災の後、何か力になれないか、と自主制作したCDをチャリテイにしたんです。そうしたら被災地のオケで仕事をすることになり、不思議な縁も感じています。 

にしもと ゆきひろ
東京芸術大学音楽学部器楽科卒業後、英国王立北音楽院に奨学金を受け留学し、首席で栄誉付ディプロマ取得。
国内外のオーケストラと共演し、ザルツブルグ音楽祭を始め数々の音楽祭で演奏。
帰国後は、子ども時代を過ごした御殿場市のこどもオーケストラの音楽監督などを務めている。1984年、札幌市生まれ。

第268回定期演奏会(2012年11月16日17日)プログラムより

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