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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.33 クラリネット 日比野 裕幸Interview

画像-クラリネット:日比野 裕幸

いい演奏には、団員同士の密なコミュニケーションが欠かせません。
互いに言葉を掛け合って、調和するアンサンブルをめざしたいですね。

1日1万歩をめやすに歩いてます。脳の活性化にもいいし、定期演奏会のあとの気持ちのクールダウンにも最適です。減量効果も(笑)。

続けていたら音楽家への道につながった

年が明けると、入団してちょうど20年。オケが3管編成になって成長していく時期に入ったわけですね。仙フィルにはいろんな意味で感謝しています。何より好きな音楽で食べさせてもらっていますしね。

クラリネットとの出会いは、中1のときブラスバンドで。サックスを買いに行ったのに、母に「あなたは体が小さいからクラリネットの方がいいわよ」といわれ決まってしまった。どうもクラリネットの方が安かったらしいんです(笑)。

小4からピアノをやっていて楽譜は読めたので、それからは個人レッスンも受けて音楽にどっぶり。勉強は嫌いだったし、楽しくやってるならいいじゃないか、という親の判断もあって音楽高校に進みました。好きで好きで、というより、ずるずるとやめる勇気もなく続けてきたらプロになったという感じ。音楽家って、ひたすら音楽が好きでというより、右向けといわれたら、いつまでも右を向いている子だったという人が多いような気がするなあ(笑)。

高校に入ってみたら優秀な人ばかりで、コンプレックスの塊でした。でも、やり続けていると道はできていくものですね。おのずと音楽家への道を歩むことになりました。だから今、どんな弟子にも情熱を持って教えています。それでも、道は自分で見出すもの。最後は本人が決断を下して、自分の道を見つけていくものだと思います。

自分の考えを持って曲に臨む

学生時代からウィーンフィルにあこがれていて、大学卒業後ウィーン国立大学に留学し、A・プリンツ先生に師事しました。

向こうに行ってよかったのは、自分で考えアイデアを持って演奏していいんだ、と思えるようになったこと。日本でもそうしていましたが、自信が持てませんでした。ヨーロッパでは、伝統も踏まえますが、みんなでディスカッションして表現を加えていきます。だから、留学で、いわゆる“モーツァルトらしさ”“べートーヴェンらしさ”という知識が増えたのに加えて、さらに自由な発想で曲に接することができるようになりました。日本ではヨーロッパにあるお手本をなぞるように演奏し、そこには勢いが欠けることが多いものです。でも、それでは表現は生まれない。勢い、流れ、自然さがないと、音楽に魂は込められないんだと感じます。

その点、ヴェロさんの指揮には生き生きとした勢いと流れがありますよね。気さくで演奏者の緊張をとき、気持ちよく演奏させてしまう。フリーの時代に、L・バーンスタインの指揮で吹いたことがあるのですが、オーラが立つような優れた指揮者は、おのずと演奏者から最上のものを引き出してしまうのだと感じました。

これからはもっとオケの中に密なつながりをつくり、コミュニケーションをとりながらさらに調和するハーモニーを創り出していきたい。ある意味、共に汗を流していた宮フィル時代に戻りたいんです。そこでは、お客さんも、我々からいいものを引き出してくださる重要な存在だと思いますよ。

ひびのひろゆき
京都市立堀川音楽高校を経て、東京芸術大学に進学。卒業後、ウィーン国立大学に留学し、2年半に渡り、ウィーンフィルのクラリネット奏者のプリンツ、オッテンザマーに師事。帰国後、フリーでの活躍したのち、1991年1月に仙台フィルに入団。1961年大阪府生まれ。

第251回定期演奏会(2010年11月19日20日)プログラムより

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