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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.24 第2ヴァイオリン:徳永 もと子Interview

画像-第2ヴァイオリン:徳永 もと子

演奏しながら旋律に聴き入って、作曲家のメッセージを感じると、背筋が伸びて、ふっと元気になるんです。

どんな小さな演奏会でも、心をつくし力を出し切る。
それが演奏者の姿勢と考え、歩み続けてきた。

「札幌で30年前に仲間とつくった「ジュネス室内楽アンサンブル」はいまも若い人に受け継がれているんですよ。うれしいですねえ。」

音楽のきびしさを教えてくれた幼いころの先生

生まれ育ったのは北海道で、私の子ども時代はまだ開拓100年の頃。仙台を初めて歩いたときの安堵感、ぬくもり、それが忘れられません。何百年も前から人が歩いていた仙台の道、あちこちに残る小さなお社…ひとつひとつに、ずうっと続いてきている歴史の重みを感じました。

ヴァイオリンを始めたのは4歳のとき。兄の稽古のときに、母が箱型の乳母車に妹と私を乗せていっしょに通っていたので、気がついた時は楽器を持っていました(笑)。音楽は生活の楽しみのためにある、プロを目指さなくてもいいという先生でしたが、練習はきびしく、年一回の発表会の合奏のときは4歳、5歳の子どもでも容赦しない。音をはずそうものなら、ド近眼の分厚い眼鏡の奥からギョロリ。あのとき、音楽に対する姿勢をたたき込まれた気がします。

幼稚園に勤めて音楽教育に携わり、その後、勉強をし直しながら札幌交響楽団のエキストラなどをやっていたのですが、親元を離れたい気持ちが強くて、当時の宮城フィルに入団しました。

一人で弾くときより室内楽やオーケストラで弾くほうが好きだったので、期待を胸に新天地での第一歩が始まりました。

弾きながら、曲の中に宝を探す

オーケストラで弾き始めたころは、同時に鳴るたくさんの音に、よく迷子になっていましたが、経験を積むうちに少しずつ自分の役割を感じながら演奏できるようになり、最近は音楽の持つ強さに日々格闘の毎日です。

聴きに来られたお客さまが笑顔で拍手してくださって、心から楽しんでいただけたんだなぁと感じられたとき、大きな励みになりますね。

問われるのは演奏する側ですね。音楽をとおして伝えたいことがあるか。本当に主体的に“音楽”しているか。演奏家の思いの深さが、聴き手を揺り動かすんだと思うんです。私、若い頃、札幌で日本を代表するオケのコンサートに行ったことがあるんですが、期待していたのに手を抜いた演奏で、地方を粗末にしているな、と感じました。聴きに来てくださる人がいるだけでありがたい。どんな場所でも気持ちを込めて心からの演奏をしたいですね。

長い時間を超えて生き残ったのがクラシック。そこには作曲家のメッセージがたくさん入っています。心という形のないものを、作曲家が形にしてみんなの気持ちをさらっていく音楽って、本当に不思議!これからも曲の中で、私なりの宝探しをしていきたいですね。そして、それを伝えていきたいと思っています。

とくなが もとこ
4歳からヴァイオリンを始める。札幌大谷短期大学音楽科卒業。幼稚園教諭として働いたのち北海道教育大学音楽科に1年間聴講生として通う。1984年仙台フィル(当時の宮城フィル)入団。1954年北海道札幌市生まれ。

第242回定期演奏会(2009年11月13日14日)プログラムより

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