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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.8 ファゴット:海野 隆次Interview

画像-ファゴット:海野 隆次

音大入学と同時に、フルートからファゴットに転向。
もっとうまくなりたいと思いながら吹き続けて、30年が経った。

入団のころは、東北の小中学校を演奏旅行に歩いた。
いまは、少しでも多くの人に音楽を、とハンディキャップのある人たちの施設をまわる。
最近、新しい楽器を手に入れて、気持ち上向き―。

「施設をまわって演奏する活動もしています。ハンディキャップのある子たちは、音楽を体で喜んでくれますよ。」

大型トラックを運転し、東北中をまわったあのころ

音楽は小学生のころから好きでしたねえ。中学に入ってからはブラスバンド部に入部して、フルートやホルンの代用品のようなメロフォンなど、いろんな楽器を楽しんでいました。

高校は進学校だったのですが、がりがり勉強するのはいやだ、少し人とは違う道を行こうという雰囲気が色濃くて、音大進学を決めたんです。フルートで受けたんですが、空きがなくてファゴットにまわされてしまった(笑)。当時は、ファゴットなんて楽器屋さんにも置いてない、もちろん見たことも触ったこともない。最初はとまどったけれど、もう頑張るしかありませんでした。

入団したころは、演奏会のために楽器を借り、エキストラをよぶ時代です。東北大学のオーケストラに楽器を借りに行くと、「練習中だから待ってくれ」なんていわれてね(笑)。

大型車の免許を取って4トントラックに楽器を積み、東北各地の小・中学校をまわりました。遠いところでは青森県大間まで行ったし、八戸市内に1週間いて学校めぐりをしたこともあります。八郎潟では、スピード違反でつかまったりね(笑)。

でも、古い木造の体育館はよく響くし、田舎の子どもたちは反応いいんですよ。楽器見ただけで「おぉー」と歓声を上げて、もうサイン攻め。若かったし、あんまり苦労とも思わず、勢いだけの毎日でした。

フランスファゴットのおもしろさに開眼

仙台フィルのこれまでを振り返ると、市民の方々の理解があってこそやってこられた、という思いです。多くの人に聴いてもらいたくて、いまは演奏家ユニオンのメンバーとしてボランティア活動もしているんですよ。

僕自身は、いつも自分の演奏のことを気にかけながらやってきました。あそこはこう吹けばいいかな、もっとうまくならないとな…そんな思いが頭から離れません。趣味もこれといってないし、あまり切り替えが上手じゃないのかもれませんね。

最近になってやっと、昨日より今日の方がいいかな、と思えるようになってきました。これは、フランスファゴットが手元にころがりこんできたのと無関係ではありません。普通、オーケストラで吹くのはドイツスタイル。フランスファゴットは古楽器に近く、指使いもかなり違う。僕の恩師がバロックファゴットの第一人者で、この楽器の話をしたら、「君、それはやりたまえ」と。だから、挑戦してやろうと思っているんです。機会があれば、演奏会もやってみたいですね。

うんの たかつぐ
中学時代、ブラスバンド部で管楽器に親しむ。東京音楽大学入学と同時にファゴットを始める。1980年、当時の宮城フィルハーモニー管弦楽団に入団。1956年静岡県生まれ。

第226回定期演奏会(2008年2月15日16日)プログラムより

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