TOP> 楽団員インタビュー> 楽団プロフィール> 仙台フィルについて> 楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.3 チェロ首席:原田 哲男Interview

画像-チェロ首席:原田 哲男

作曲家はどういう音を求めているのか。
その音をオーケストラと室内楽、二つの世界に探りたい。

入団8年。仙台フィルの屋台骨を支える首席チェロ奏者は、偉丈夫で、早口の薩摩隼人。子ども時代、合奏の楽しさで、音楽の道を決意したのだという。

「最近はスーパーで買い物していて、“原田さん”と声を掛けられることもあって、正直、あせります(笑)」

応援の声に応えて、もっといいオーケストラに

仙台国際音楽コンクールが終わったあと、休日は一日だけ。すぐ6月の定期演奏会のリハーサルに入りました。いいコンクールでしたね。プロコフィエフの協奏曲では、ヴァイオリンでもピアノでも、ロシアのコンテスタントの演奏に、「ああ、これがプロコの音だ」と感じ入る一瞬がありました。こんなふうに高揚したあとは、休みはない方がいいんです。集中力を保ったまま、つぎの演奏会へと突入(笑)。

仙台フィルにとっても、コンクールはいつもと違う緊張感があります。ミスは許されない、審査員は聴いてる、テレビカメラはまわってる…。そんな中で、コンテスタントをのせ我々が運んであげる演奏ができたらいい、と考えていました。仙台フィルは、いまが変わり目ですね。やはり個人個人が研さんを積んでよくならなければ。お客さまとの関係がとても密ですから、長く聴いてくださっている方にはよくなればすぐわかるでしょう。「あの人、うまくなったね」「音楽の幅が広くなったね」と、いつかはいわれるようになりたいですね。

表現する音楽の内容を充実させていきたい

チェロを始めたのは10才のとき。ヴァイオリンをやっていた母が兄にヴァイオリンを教えようとして失敗し、二番目はチェロだと、作戦をねったらしい(笑)。でも、いやでいやで、レッスンのあとは泣いて家に帰るような始末でした。

それがガラリと変わったのは、6年生で鹿児島のユースオーケストラに入団してからです。合奏するってこんなにも楽しいのか、ともう夢中。ハイドン、ベートーヴェン、ドヴォルザークといった、クラシックの王道といえる作曲家の曲をやったのがよかったんですね。でも、高校は普通高校。音楽の勉強に本気になったのは、大学に入り、自分がいかに弾けないかを身を持って知ってからでした。

オーケストラの仕事を続けるうえで、欠かせないのが室内楽。演奏するうえで、この二つはいわば両輪だと思うんです。チェロは、ソロとオーケストラでは違ったポジションを使うし、室内楽にオーケストラのような立体的なサウンドが必要なこともありますからね。

この9月から、文化庁の派遣研修員としてライプツィヒに留学します。昨年、たまたまゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェリストとチェロカルテットを組む機会があったんですが、横でいい音を出すんです。いかにもドイツの音をね。それを聴いて、この人に習いにいかなければ、と思ったんですよ。ベートーヴェンの音、ブラームスの音…それを探って深めていきたい。オケの頭の仕事ってそういうものだと思うんです。

はらだ てつお
桐朋学園大学卒業。研究科を経て、ドイツ・マインツ大学、米国・メソヂスト大学に留学。1999年より仙台フィル首席チェロ奏者。室内楽、ソロも含め、国内で幅広い活動を展開。9月より「文化庁新進芸術家海外留学制度派遣研修員」としてドイツに1年間留学。1970年鹿児島市生まれ。

第221回定期演奏会(2007年7月20日・21日)プログラムより

このページのトップにもどる