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楽団員インタビュー~ハーモニーな楽屋~

構成 / 西大立目 祥子

Vol.1 コンサートマスター:伝田 正秀Interview

画像-コンサートマスター:伝田 正秀

とにかくいまは経験を積むとき。
ここから説得力のある音楽をつくりあげたい。

コンサートマスターというオーケストラの顔をつとめるようになって1年3ヶ月。
夢中で音楽に取り組む毎日を過ごす。
仙台暮らし、コンマスの楽しさ、つらさ…楽屋で語るその本音とは?

ヴァイオリニストにとって最大の関心事の一つが楽器。3月末日の休暇はヨーロッパで楽器探しに費やした。

仙台フィルのメンバーは温かくって、大らか

仙台は、いいところですね。いままで住んだ中では、いちばん暮らしやすいところです。気候もいいし、地下鉄はすいてるし、食事もおいしいし。

でも、来る前は相当不安でした。僕は不器用で、アンサンブルにもコンプレックスがありましたから。コンマスの役目を何も知らないで来たので、初めてのことばかり。最初は舞台の作法さえ間違えるほどだったけれど、本当に温かく迎えてもらいました。みんな大らかで長い目で見守ってくれる。育ててもらえるオーケストラなんですね。

だんだん、課題も見えてきました。指揮者の指示を受け止めて、自分で率先して弾くというのが第一段階。そのうえで、他のパートや指揮者ともっと密接なコンタクトをとっていかなければ…。スコアだって、まだベテランのコンマスの10分の1ぐらいしか読めていません。とにかくいいコンサートにするためにやることはいっぱいあります。

正直、過労気味。実は、先日も点滴を打ってもらったばかりなんです。練習は嫌いなんだけど(笑)、いまは、やれるときはいまのうちにと思って練習しています。早く譜読みをすませ、先へ先へとやっていれば、細かいことまで勉強できますからね。

曲のすべてに明確なイメージを持って臨みたいんです。あちこちから弾き方のヒントや表現のニュアンスを得る時間は、本当に楽しくて。それがなかったら、ヴァイオリンやってないです。

人を引き込める演奏ができれば、いちばんの幸せ

聴いてヒントを得ることも多いですよ。古い時代の巨匠がいちばん心に響きます。クライスラー、ティボー、グリュミオー、ハイフェッツ…もう凄いです、表現の幅も音色も。1小節聴けば誰の演奏かすぐわかるほど、個性が強いし。いまはクラシックといっても、ニュー・クラシックといっていいぐらい当時とはスタイルが違っています。僕のやりたいのはオールドの方で…。

やはり、これが伝田の演奏だとわかるような個性、人を引きつける魅力を身につけたいです。そういう演奏ができるようになるなら、30年後、カフェでヴァイオリンを弾いていてもかまわないですね。

いい演奏かどうかは、お客さまの反応で明らかにわかるんです。顔が違う、拍手が違う。聴衆がいるから演奏のモチベーションが高まるんですね。街のオーケストラは、いつもお客さまに見守ってもらえる。これからも、一緒にコンサートを盛り上げていただきたいです。

でんだ まさひで
2006年1月から仙台フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターを務める。父の手ほどきで3歳よりヴァイオリンを始め、武蔵野高校を経て、ウィーン国立音楽大学、ウィーン市立音楽院に留学。第51回全日本学生音楽コンクール全国大会第1位、第71回日本音楽コンクール第2位など入賞多数。1979年長野市生まれ。

第219回定期演奏会(2007年5月11日・12日)プログラムより

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